ソニーグループ(ソニーセミコンダクタソリューションズとソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、ソニーLSIデザイン)は、有効画素数が約146万(1632×896)、画素(ピクセル)ピッチ6.9μmの、グローバルシャッター(GS)機能に対応した裏面照射型イメージセンサーを開発し、「ISSCC 2018」で発表した(図1、2)(プレスリリース)。裏面照射型でGS対応は「業界初」(同グループ)である。開発品の特徴は、画素ごとにA-D変換器を配置したこと。これにより、全画素同時に露光したアナログ信号をそれぞれ即座にデジタル変換(「画素並列A-D変換」)し、GSを実現した。

図1 開発したGS対応の裏面照射型イメージセンサー
図1 開発したGS対応の裏面照射型イメージセンサー
(図:ISSCC)
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図2 開発品で撮影した画像
図2 開発品で撮影した画像
(図:ISSCC)
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 一般的なGS対応のイメージセンサーの場合、表面照射型で、露光時間内に生じた電荷を画素内のアナログメモリーに保存し、処理することでGSを実現する。アナログメモリーが存在する分、画素サイズを維持したままだとその分、PD(Photo Diode)のサイズが小さくなり、感度が低下しやすい。これに対して、開発品のような手法であれば、アナログメモリーが不要になる分、PDサイズを大きくしやすく、高感度化に向く。さらに、裏面照射型なので、一般的な表面照射型イメージセンサーに比べて感度を高めやすい。