クアルコムジャパンは、近傍にある機器をつなげるためのソフトウエアフレームワーク「AllJoyn」をテーマにした講演と展示を、「Embedded Technology 2015//IoT Technology 2015」(2015年11月18日~20日にパシフィコ横浜で開催)で行った。IoTやM2Mに関連した規格やアライアンスは多数ある(日経テクノロジーオンライン関連記事1)が、AllJoynはその1つである。

図1●今のIoT クアルコムジャパンのスライド。
図1●今のIoT クアルコムジャパンのスライド。
[画像のクリックで拡大表示]
図2●AllJoynを使うIoT クアルコムジャパンのスライド。
図2●AllJoynを使うIoT クアルコムジャパンのスライド。
[画像のクリックで拡大表示]

 AllJoynは、ヒトやモノの周囲にある近傍の機器の連携を実現するための開発用ソフトウエアフレームワークである(日経テクノロジーオンライン関連記事2)。米Qualcomm社が開発した技術だが、Linux Foundationが設立したアライアンス「AllSeen Alliance」にソースコードが移管され、ここでオープンソース化されるとともに、仕様策定や機能追加が行われている。

 ET2015の講演に登壇した、クアルコムジャパンの内田信行氏(標準化担当部長)によれば、現在のIoT(Qualcomm社はIoE(Internet of Everything)と呼ぶ)では、クラウド経由で機器間がつながっている(図1)。そんな遠くのクラウドを経由しないで、近くにある機器同士を直接つなげることを目的にAllJoynは開発された(図2)。

 AllJoynをベースに接続機能を開発すれば、すべてを一から開発する場合に比べて、工数を1/5に削減できると内田氏は言う。トランスポート層(通信規格)やOSには依存しないため、さまざまな機器をつなげるという。AllJoyn対応の機器同士を直接、あるいは、AllJoyn対応のゲートウエーにAllJoyn対応の複数の機器をつないだりする。