石井和徳氏
石井和徳氏
[画像のクリックで拡大表示]
ヒロセ電機が、会場そばのホテルの一室で展示したix Industrialコネクター
ヒロセ電機が、会場そばのホテルの一室で展示したix Industrialコネクター
[画像のクリックで拡大表示]

 日本の部品メーカーの中でも、高収益企業として知られるヒロセ電機。2015年度(2015年4月~2016年3月)の連結売上高は1202億8400万円で、営業利益は287億9400万円と、営業利益率は約24%と高い。そんな同社は、産業用エレクトロニクスの国際展示会「electronica 2016」(ドイツ・ミュンヘンで2016年11月8日~11日に開催)に合わせて、ドイツHARTING社と共同で開発した産業用Ethernet向け小型コネクター「ix Industrial」を披露 (関連記事)。HARTING社ブースで開催された報道機関向け発表会には、ヒロセ電機 代表取締役社長の石井和徳氏が登壇し、新コネクターに対する期待を述べた。発表会を終えた石井氏が、今後の事業戦略を語った。

 これまで我々は、Micro USBコネクターを始め、民生機器分野で強みを発揮してきた。民生機器市場の牽引役だったスマートフォンの成長が鈍ってきた中で、次の成長エンジンと考えているのが、産業機器・自動車分野だ。

 民生機器と産業機器・自動車分野の製品ライフサイクルは大きく異なる。民生機器は1〜2年だが、産業・車載機器は3〜5年である。なお、HARTING社と共同で開発したix Industrialは、約3年前から仕込んだものだ。

 IoTが本格的に普及すると、「つなぐ」ビジネスが大きく成長する。つまり、コネクター事業は今後も伸びる事業である。ただし、これまでのようなコネクター単品を販売する形態ではなく、他の技術や部品と組み合わせた「ソリューション化」が不可欠になる。とはいえ、すべてを自前で行うのは現実的ではない。ixの共同開発は同業の企業と行ったが、今後は異分野の企業との関係を強化していく。