プリント基板が備える配線・実装機能を筐体などに担わせてメーン基板を省く、いわゆる「基板レス」技術。産業用エレクトロニクスの国際展示会「electronica 2016」(ドイツ・ミュンヘンで2016年11月8日~11日に開催)では、少なくとも2社がそれぞれ基板レス技術をアピールしていた。いずれも、車載市場への事業拡大を狙う。
2社のうちの1社が、フィンランドTactoTek社である。米Linear Technology社のブースを間借りして出展。自動車の運転席のインストルパネルへの適用を意識したデモ品を展示していた。樹脂筐体の裏面に配線し、その上にLEDやLinear社のLEDドライバーなどの部品を実装。タッチセンサー機能も備える。加飾され、操作パネルを模した筐体表面を指で触れると、例えばLEDインジケーターの光り方が変化する。
製造工程はおおよそ以下の通り。まず、「in-mold labeling」フィルムに加飾する。次に、裏面に配線を印刷してコンデンサーやタッチセンサーなどを作った後、電子部品を実装する。その後、フィルムを所望の立体的な形状に整える。