講演する山田氏
講演する山田氏
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 血圧や食習慣を、ウエアラブルデバイスを使っていつでもどこでも手軽に測る――。そんな技術の開発が進んでいる。デバイスを装着する場所は「耳」だ。

 開発を手掛けるのは、東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 名誉教授の山田一郎氏らのグループ。同氏は「SEMICON Japan 2015」(2015年12月16~18日、東京ビッグサイト)の併設イベント「STS(SEMI Technology Symposium)」の「ヘルスケアのためのウエアラブルセンシング」と題するセッションに登壇。科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)で、2007~2013年に「生体・環境情報処理基盤の開発とメタボリック症候群対策への応用」と題して行った研究の成果を紹介した。

 山田氏はウエアラブルデバイスによる生体センシングに関して、2つの点に着目して研究を進めているという。第1に、拘束感のないモニタリングを実現すること。これは主にハードウエア側で工夫する。第2に、複数のセンサーから得た情報を統合し、心身の状態に関する高次情報を抽出すること。これは主にソフトウエアで実現する。例えば、生体情報に行動情報をひもづけて解析するといった形だ。