英Arm社のプライベートイベント「Arm TechCon 2017」(2017年10月24日~26日、米カリフォルニア州Santa Clara)の展示会には、日本/日系企業3社がブースを構えた。東芝デジタルソリューションズ、ウフル、そして、米Renesas Electronics America社である。3社それぞれにブースで話を聞いた。

 先週の日経テクノロジーオンライン記事で紹介したように、Arm TechCon 2017の展示会場は、大きく2つの部分からなっていた。これからArmが力を入れていくIoTサービスに関連した部分と、これまでもArmが力を入れてきたIPコア(CPUコアなど)に関連した部分である。日本/日系企業3社のうち、東芝デジタルソリューションズとウフルの2社は、前者のIoTサービスに関連した部分(Arm Mbedブースがある部分)に、Renesas Americaは後者のIPコアに関連した部分(Arm Inc.ブースがある部分)に、ブースを構えていた。

東芝:SPINEXとMbedをつなぐ

 東芝デジタルソリューションズは、東芝の社内カンパニー「インダストリアルICTソリューション社」と東芝ソリューションが一体化して、2017年7月に発足した(関連ニュースリリース1)。東芝のインダストリアルICTソリューション社時代の2016年10月に、同社はARMのMbed Cloudのパートナーとして、ARM TechCon 2016に参加している(関連ニュースリリース2)。東芝デジタルソリューションズとしては、今回が初参加となる。

東芝デジタルソリューションズのブース。ArmコアベースのICを載せた機器、ゲートウエー、クラウド(ノートPC)で、SPINEXアーキテクチャーのIoTシステムをデモンストレーション。ゲートウエーは同社製品。日経テクノロジーオンラインが撮影。
東芝デジタルソリューションズのブース。ArmコアベースのICを載せた機器、ゲートウエー、クラウド(ノートPC)で、SPINEXアーキテクチャーのIoTシステムをデモンストレーション。ゲートウエーは同社製品。日経テクノロジーオンラインが撮影。
[画像のクリックで拡大表示]

 同社がブースで推していたのは、同社のIoTアーキテクチャーの「SPINEX(スパインエックス)」である(関連記事1関連記事2)。ブースの説明員によれば、SPINEXベースのIoTシステムに、Mbed関連機器やサービスを取り込んだり、接続したいとした。「IoTのエッジには、ArmのCPUコアベースのICを搭載する機器が多い。こうした機器の開発者にSPINEXをもっと知ってもらいたい」(同説明員)。

 なお、東芝デジタルソリューションズと同じように、東芝から分社化した東芝デバイス&ストレージは、ArmのCPUコアをベースにした多種類のMCUやアプリケーションプロセッサーICを持っているが、今回のArm TechConにはブースを構えていなかった。