化学プラントにおけるディープラーニングを使った異常予知の展示
化学プラントにおけるディープラーニングを使った異常予知の展示
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 NTTコミュニケーションズは「FACTORY 2016 Fall」(2016年10月19~21日、東京ビッグサイト)で「IoT × AI “Deep Learningによるデータ分析”」を出展した。

 工場や車両、データセンターなどのさまざまなIoT(Internet of Things)データを人工知能(AI)技術のディープラーニング(深層学習)で解析。安全性の向上や運用効率の改善などに役立てる。
 
 工場向けでは三井化学の化学プラントにおける異常予知やセンサーの故障検知の取り組みを展示した。ガス製品の製造過程において、原料や反応炉などの状態を、温度や圧力、流量のデータを収集して、ディープラーニングで解析。データ収集時から20分後のガス濃度を高精度に予測することに成功したという。

 「事故につながるような問題が起きているかどうかを事前に検知することが可能になる」(NTTコミュニケーションズの担当者)。ディープラーニングによる解析の対象となるのは温度、圧力、流量などの51種類のプロセスデータだ。

 これらのデータからAIが化学プラントのモデルを学習して、ガス分析計の値を推定する。その推定値を実際のデータと照合して正確に再現されているかどうかを検証した。この結果、「ガス濃度の推定値と、データ取得から20分後に得られた実際の値は平均誤差が3%程度で、高い精度を実現できた」(同担当者)という。