講演する清峰氏
講演する清峰氏
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 「米国では、ベンチャーキャピタルのデジタルヘルス分野への投資額は、ここ6年間で6~7倍に伸びた。非常に盛り上がり、crowdedな(混みあった)状態だ」。米国シリコンバレーのベンチャーキャピタル、Mitsui&Co. Global Investmentの清峰正志氏(同社 ライフサイエンスチームリーダー・インベストメントディレクター)は、米国でのデジタルヘルス分野の投資熱をこう語る。この分野の投資はすでに「1サイクルした」(同氏)状況で、日本との差は大きい。

 「デジタルヘルスDAYS 2016」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアターに登壇した清峰氏は「シリコンバレーのベンチャーキャピタルが注目するデジタルヘルス」と題して講演。米国で、投資先としてデジタルヘルスが人気を集めている理由を語った。

 米国西海岸には「技術や人材、資金について30~40年をかけて作り上げたエコシステムがある」(清峰氏)。まず指摘したのはこの点だ。技術を持つ大学や研究機関、それを事業化しようとするベンチャー、そこに投資するベンチャーキャピタルや個人投資家。さまざまなプレーヤーから成るエコシステムがシリコンバレーにはある。

 資金の流れ一つを取っても、米国ではベンチャーキャピタルとシードファンド、個人投資家など、異なるプレーヤーの間で役割が分担されているという。事業会社が自らベンチャーキャピタルを持つCorporate Venture Capital(CVC)の数やCVCによる投資額も増加中だ。