データサイエンスを産業医学分野に
データサイエンスを産業医学分野に
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 東芝情報システムは、同社の分析・予測支援サービスを産業医学分野に応用した事例を「デジタルヘルスDAYS 2016」(2016年10月19~21日、主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)で紹介した。機械学習を使い、機器や製造ラインの稼働状況を分析し故障を予測するサービスを、医療分野に展開する。

 産業医科大学(北九州市)がデータサイエンスの手法を用いて取り組む、快適な職場環境と労働者の健康維持・増進のための研究に活用する。同研究は、北九州産業学術推進機構が実施する科学技術振興機構(JST)のプログラムの一環として行うもの。

 この研究では、労働者の生体データや職場環境のデータと、健康診断やストレスチェックなどのデータを統合的に解析。高ストレス群などに特徴的な変化を、機械学習などの手法で抽出する。これを基に、予防的措置を取るべき対象を各種データから予測可能とすることを狙う。いわゆるプレゼンティーイズム(疾病就業)の解決につなげたい考えである。

 研究では既に、マウスを使った動物実験を実施した。平常時と、外乱(ストレス)を与えた時のマウスの活動量や体温のデータを時系列に取得し、外乱を与えたマウスに特徴的な変化を機械学習で検出可能かどうかの実証を進めている。ここに、東芝情報システムの分析・予測支援サービスを活用する。「職場で脳波などを測るのは現実的ではない。活動量や体温といった、測りやすい少数のパラメーターからメンタル不調などを予測する手法を可能にしたい」(東芝情報システムのブース説明員)。