車いすをはじめとする介護機器の製造販売を手掛けるカワムラサイクルは2016年10月3日、電動アシスト機能付き歩行車「Flatia(フラティア)」の販売を開始した。同製品は、勾配の急な坂道でも、利用者が一人で歩けるよう電動でアシストし、車体から手や体が離れると自動でブレーキをかけるもの。「第43回 国際福祉機器展 H.C.R.2016」(2016年10月12~14日、東京ビッグサイト)で披露した。

座面下部の黒いボックス内部には角度センサーを内蔵
座面下部の黒いボックス内部には角度センサーを内蔵
[画像のクリックで拡大表示]
 歩行車の座面には、坂道での歩行を助けるために、傾斜を検知する角度センサーを内蔵。検知した勾配に合わせて、下り坂であればブレーキをかけ、上り坂であれば後輪部に搭載されたモーターの出力を上げて歩行をアシストする。「玄関口のスロープでもスムーズに歩行できる」(カワムラサイクル)という。

ブレーキの下に搭載された赤外線センサー
ブレーキの下に搭載された赤外線センサー
[画像のクリックで拡大表示]
体が離れてしまうと歩行車にブレーキがかかる
体が離れてしまうと歩行車にブレーキがかかる
[画像のクリックで拡大表示]
 ブレーキの下には赤外線センサーを搭載。歩行車から50~80cm以内の設定した範囲に利用者がいるかどうかを検知する。手や体が突発的に離れてしまった場合は、自動でブレーキをかける。下り坂で歩行車が先に進んでしまったり、利用者がつまずいてしまったりした際に利用者が転倒することを防ぐ。

 同製品は2016年4月より先行販売を行っており、利用者からは、「自宅が勾配地にあるが、自分で買い物ができるようになった」などの声が届いているという。同製品の普及により、「利用者の自立的な移動が促進され、歩行能力の維持・改善につなげたい」(カワムラサイクル)とした。