センサーデバイスやネットワークの開発を手掛けるNISSHAは、エヌ・デーソフトウェアと共同開発した、バッテリー不要の介護施設向け見守りシステム「ケアワン」を、「第45回 国際福祉機器展H.C.R.2018」(2018年10月10~12日、東京ビッグサイト)に出展した。人感センサーやドア開閉センサー、温度・湿度センサーによって、離床による転倒防止や夜間徘徊などを見守るとともに、各データをエヌ・デーソフトウェアの介護業務システム「ほのぼのNEXT」に転送し、記録業務を効率化する。

 ケアワンのセンサーデバイスは、すべて太陽電池による微小電力で稼動する。データ通信は、928MHz帯の特定小電力無線を使った「EnOcean」と呼ぶ無線通信を利用している。センサー、通信ともバッテリーを使わずにデータ通信できるメリットがある。

足下ろし動作を検知する人感センサー(左上)、ドア開閉センサー(右上)、居室内の温度・湿度センサー(左下)、最大60個のセンサーデータを収束できる受信器(右下)
足下ろし動作を検知する人感センサー(左上)、ドア開閉センサー(右上)、居室内の温度・湿度センサー(左下)、最大60個のセンサーデータを収束できる受信器(右下)
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 センサーデータの受信器ユニットは1台で最大60個のセンサーからデータ受信できる。このため、介護施設の1フロアあるいは1ユニットに1台設置するだけで、全室のデータを収集可能という。

 離床はベッドの端に人感センサーを取り付け、足下ろし動作を検知する方法を採用している。「腹筋が弱い高齢者は上半身を起こして離床するより、先に足をベッドから下ろすため、その動作を検知する方が確実に離床をとらえられる」(販売担当者)という理由からだ。

 離床やドアの開閉、室温が設定範囲を超えるなど居室内などでの異常発生時には、自動でモニター表示し、介護スタッフのスマートフォンや携帯電話機へのメールでアラートを通知する。アラートの履歴は、ほのぼのNEXTのケア総合記録システムに自動で記録・保存され、タイムリーなデータ共有が可能となる。