HD映像コミュニケーションシステムの本体/専用カメラ/マイクを展示
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「広域がん放射線治療ネットワーク」に採用
「広域がん放射線治療ネットワーク」に採用
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 低侵襲で効果の高いがん治療法として期待を集める、粒子線治療。治療施設の建設が相次いではいるものの、まだ同施設を持たない都道府県は多い。遠方に住むがん患者やその家族にとっては、高額な治療費ともあいまって依然、しきいが高い治療だ。

 こうした地理的不均衡の解消に向けて、患者やその家族が高度放射線治療に関する相談を近隣の医療機関で受けられるようにする仕組みが、2015年春に東北地方で稼働を始めた。東北地方を中心とする61の病院を遠隔カンファレンスシステムで結ぶ「広域がん放射線治療ネットワーク」がそれだ。重粒子線治療施設が2019年に稼働する山形大学 医学部を中心とする、東北がんネットワークが推進している。

 この取り組みでは、電子カルテやPACS(医療用画像管理システム)、放射線治療計画などの情報を、VPN(仮想プライベートネットワーク)を使って複数施設間で相互に参照できるようにする。これにより、例えば高度放射線治療装置を持たない施設の医師が、患者の治療方針について同装置を持つ施設の医師に相談するといったことが可能になる。既に、粒子線治療施設に対し、遠方の施設が時間枠を決めて治療相談できる「バーチャル外来」が、陽子線治療センターを持つ総合南東北病院(福島県郡山市)で始まった。

 「第19回 日本遠隔医療学会学術大会(JTTA 2015)」(主催:日本遠隔医療学会)では、広域がん放射線治療ネットワークに採用された遠隔カンファレンスシステム「HD映像コミュニケーションシステム(HDコム)」を、パナソニック システムネットワークスが出展した。フルHD(high definition)画質への対応や、インターネットの帯域変動に応じて伝送データ量を調整し映像や音声の乱れを防ぐ機能などが特徴という。