開会式で挨拶する渡辺氏
開会式で挨拶する渡辺氏
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 「第19回 日本遠隔医療学会学術大会(JTTA 2015)」(主催:日本遠隔医療学会)が2015年10月9日、仙台市戦災復興記念館(宮城県仙台市)で開幕した。大会テーマは「日本の遠隔医療の新たな発展を目指して ―日本のすばらしい技術を見直そう―」。遠隔診療のより広い解釈をうながす通達を厚生労働省が2015年8月に出したことを受け、遠隔医療への注目が高まる中での開催となる(関連記事)。

 今回は、東日本大震災で多くの医療機関が被害を受けた宮城県での開催とあって、震災関連の企画が数多く用意された。会期初日の9日に開かれる2つの大会企画シンポジウムはいずれも震災にかかわるもの。テーマはそれぞれ、「東日本大震災に学ぶ災害医療のその後~さらなる展開と進歩に向けて」と「東日本大震災がもたらした医療資源不足に『連携』で立ち向かう」である。

 大会長は東北大学病院 病理部 特命教授の渡辺みか氏が務める。9日午前の開会式で挨拶した渡辺氏は「震災からの復興ぶりを確かめたいとの意味を込め、仙台での開催となった。震災という辛い経験をもとに、急性期(医療)だけでなく、これから先どのように(中長期的に地域医療や災害医療に)取り組むべきかを考える前向きな企画としたい」と述べた。

 会期は10月10日までの2日間。4件の大会企画シンポジウムのほか、米国の遠隔医療を牽引する存在の1人である米University of Arkansas for Medical SciencesのCurtis Lowery氏による特別講演、遠隔会議システムを体験できる特別企画「てんかん症例検討会デモ:遠隔会議システムの有用性」、一般演題56件(計15セッション)などが開催される。