米国カリフォルニア州アナハイムで開催の「ITC(International Test Conference)2015」では、通常の論文セッションの始まる前日(2015年10月5日)の夜、例年どおりマンデーパネルが設置され、第46回目となる本会議が開幕した。

 JTAG(Joint Test Action Group)方式のバウンダリスキャン(IEEE 1149.1)は、プリント回基板組み立て工程における製造不良(部品実装不良など)の検出を容易化するための手段として、1990年に標準化された。その後、IC内部など、適用分野の拡大に対応する形で、2013年に拡張が行なわれて「IEEE 11149.1-2013」となった。

 JTAGバウンダリスキャンには派生の規格も複数生まれた。例えば、チップ内のIPコアへのアクセス方式に関する規格として、2014年にIJTAG(IEEE 1687)が標準化された。これを利用することによって、チップ外部からのアクセス方式に依存しないで、内部IPコアをテストアクセスする検討が進んでいる。

 このような状況を背景に、多少過激なタイトル「Is IEEE 1149.1 on Its Death Bed?」のパネルが設けられたようだ。参加者は150名以上と例年どおりの盛況であり、JTAG方式の今後の行方を中心にしてさまざまな議論が交わされた。

■変更履歴
この記事の掲載当初、このページの本文(要点除く)の第1段落で「プリント基板のインサーキットテストにおけるDUT(Device Under Test)のアクセスを確保する手段として」としていたのは「プリント回基板組み立て工程における製造不良(部品実装不良など)の検出を容易化するための手段として、」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。