出展ブースに立つ遠藤氏。手に持っているのが「リハビリアシスト機器」。手前向かって左が「膝継手」、同右が「義足足部」
出展ブースに立つ遠藤氏。手に持っているのが「リハビリアシスト機器」。手前向かって左が「膝継手」、同右が「義足足部」
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 ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)研究員の遠藤謙氏が、元・陸上競技選手の為末大氏らと2014年に立ち上げたベンチャー、Xiborg(サイボーグ)。「第42回 国際福祉機器展 H.C.R. 2015」(2015年10月7~9日、東京ビッグサイト)では、Xiborg代表取締役社長を務める遠藤氏が自ら、ロボット技術を用いた義肢装具の開発品を出展ブースで紹介した。スポーツやリハビリテーションなどの分野に向けて提案中だ。

 出展したのは「膝継手」と「義足足部」、そして「リハビリアシスト機器」。このうち、膝継手と義足足部は関節部にモーターを実装し、歩行時の速度調整や関節の能動的進展に対応できるようにしたもの。健康な足に近い歩行動作や階段昇降動作を可能にするという。膝継手は2016年にスイスで開催されるアシスト機器の競技会「Cybathlon(サイバスロン)」に出場予定だ。義足を着けたアスリートの記録が、障害を持たないアスリートの記録を上回る日は「近いうちに来る」(遠藤氏)。

 リハビリアシスト機器は、イムス板橋リハビリテーション病院(東京都板橋区)と共同開発中。リハビリ現場で多用される長下肢装具に、簡単に着脱できるのが特徴だ。モーターで下肢動作を補助し、膝折れなどを防ぐ。いち早く事業化できる可能性を見込んでいるのが、このリハビリアシスト機器だという。

 Xiborgは、ソニーCSLでロボット義足を研究していた遠藤氏が「全ての人に動く喜びを」を掲げて立ち上げた企業。今回の展示品について、さらなる軽量化などに向けた開発を進めていくという。