2015年10月29日から11月8日に東京ビッグサイトで開催された「第44回東京モーターショー2015」。日本をはじめ世界各国の自動車、バイク、そして関連部品メーカーが一堂に集い、その最新技術と製品を披露する2年に一度開かれる自動車ショーだ。基本は4輪車のショーではあるが、ホンダやスズキ、ドイツBMW社は2輪車も生産しているなど、産業としては密接に関係があることもあって、毎回2輪車も数多く展示される。ここでは、そんな2輪車の主な出展車両を写真で紹介しよう。

ホンダも前輪を二つ持つバイク感覚の乗り物を発表

 日本を代表する2輪車メーカーであり、世界をリードするホンダ。1958年に「スーパーカブC100」で本格的に2輪車の製造・販売をスタートさせただけあって、スーパーカブはホンダのすべての2輪車のルーツともいえる存在だ。そんなスーパーカブを「継承と進化」をテーマにコンセプトモデルとして作り直したのが「EV-Cub Concept」と「Super Cub Concept」である。

 いずれもアンダーボーンフレームを基本にレッグシールドを備えたスーパーカブのスタイルをほとんど崩すことなく、「EV-Cub Concept」はモーターとバッテリーを、「Super Cub Concept」は低燃費エンジンを搭載。「EV-Cub Concept」はEVの構成要素の中で重いバッテリーを車体中央の低い位置に搭載し、さらに着脱可能としてあるのが特徴。さらにレッグシールドに家庭用コンセントで充電できるプラグを装備している。一方「Super Cub Concept」はスーパーカブが持っている曲面基調のスタイリングをモチーフにデザインをリファイン。1回の給油あたりの航続距離が長い低燃費エンジンを搭載すると同時に、初代「スーパーカブC100」の配色を基にした深みと高級感のあるボディーカラーが特徴となっている。

1958年に発売された「スーパーカブC100」。
1958年に発売された「スーパーカブC100」。
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「EV-Cub Concept」(手前)と「Super Cub Concept」(奥)。2台はEVと内燃機というまったく異なるパワーソースを搭載しながらも、スーパーカブというスタイルはほとんど変わらない。
「EV-Cub Concept」(手前)と「Super Cub Concept」(奥)。2台はEVと内燃機というまったく異なるパワーソースを搭載しながらも、スーパーカブというスタイルはほとんど変わらない。
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 次にホンダの2輪車の派生モデルとも言うべき車両としてひときわ目を引いていたのが「NEOWING」だ。前2輪、後ろ1輪というスタイルで、前2輪は操舵すると同時に2輪が平行に作動して車体全体が傾き、一般的な2輪車と同じようなコーナリングが楽しめるのが特徴の乗り物だ。パワートレーンには水平対向4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用し、力強くトルクフルな走りを実現。前輪にはアクチュエーターによるロール制御技術を採用し、より多くの人が大型2輪車同等のコーナリングを楽しめるというコンセプトモデルとなっている。

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前2輪は独自のリンク機構とアクチュエーターによって、操舵とリーン(傾くこと)走行を実現した「NEOWING」。極太のリアタイヤはシャフトによって駆動される。パワートレーンは水平対向4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドだ。
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前2輪は独自のリンク機構とアクチュエーターによって、操舵とリーン(傾くこと)走行を実現した「NEOWING」。極太のリアタイヤはシャフトによって駆動される。パワートレーンは水平対向4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドだ。
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前2輪は独自のリンク機構とアクチュエーターによって、操舵とリーン(傾くこと)走行を実現した「NEOWING」。極太のリアタイヤはシャフトによって駆動される。パワートレーンは水平対向4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドだ。