調剤薬局大手の日本調剤 常務取締役の三津原庸介氏は、「デジタルヘルスDAYS 2015」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアターで「薬局におけるICTの利活用」と題して講演。同社の電子お薬手帳アプリ「お薬手帳プラス」や在宅医療システム「JPケアコム」などをアピールした。

講演する日本調剤の三津原庸介氏
講演する日本調剤の三津原庸介氏

 お薬手帳プラスは、スマートフォンなどに向けたアプリ。日本調剤が独自に開発、2014年10月からサービスを運用している。同サービスを開発した背景について、三津原氏は「電子お薬手帳が普及しない理由は、調剤報酬(診療報酬)において薬剤服用歴管理指導の算定要件とされておらず薬局側にインセンティブがないこと、入力の手間がかかること」と指摘。

 そこでお薬手帳プラスは、会計システムと連動し日本調剤の薬局で調剤された服薬情報は会計が済めば自動でクラウドサーバーへ送信されるようにした。薬局側もユーザーも入力に手間を取られず、ユーザーはスマートフォンで服薬情報を確認できる。日本調剤以外の薬局で調剤された分も、QRコード(JAHIS標準)があれば読み取って(なければ手入力)記録可能だ。

 お薬手帳プラスは、病院や薬局の利用歴、予定などを書き込めるカレンダー機能や、服薬管理用のアラーム機能などを備える。また、薬局を訪ねる前に処方せんをスマートフォンで撮影して、日本調剤の薬局に送信しておく機能があり、ユーザーは調剤待ちの時間を有効に使える。

 テルモの電子血圧計や体組成計などと連携しており、データを自動で取り込むことも可能だ。1台のスマホで複数IDを利用可能で、例えば、本人の許可があれば、高齢者などの服薬を、遠隔地から家族が見守ることもできる。