ヘルスグリッド取締役の森 薫氏
ヘルスグリッド取締役の森 薫氏
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健康スコアリングの資料やデモを展示するヘルスグリッドのブース
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 ヘルスグリッド取締役の森 薫氏は2015年10月2日、「デジタルヘルスDAYS 2015」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアターにおいて、同社が手掛ける「健康スコアリング」の実用例と今後の展開を解説した。

 身体の健康状態は、基礎代謝、体重、体脂肪など数多くのデータから総合的に判断する必要があるが、一般人にはなかなか難しい。そこで、ヘルスグリッドは健康状態を一目で判断する“尺度”となる健康スコアリングを提供している。

 例えば、身体全体の総合的な活性状態を評価する「ボディスコア」は、430項目のデータの相関係数から身体の状況を評価する16項目を選択、それに基づいて「身体基本特性(基礎代謝、筋肉の瞬発力、柔軟性、バランスなど)」「今後の目標」「目標を達成するための基本処方」を提示する。このボディスコアを、ある自治体が運営するヨガ教室で利用したところ、「ヨガ教室をやっている人はバランス感覚が抜群に良い」(森氏)ことが分かったという。

 このほか「メタボスコア」は、身体サイズから腹部の内臓脂肪と皮下脂肪の面積を推定し、最終的にメタボシンドロームのリスクを評価する。早稲田大学との共同研究の成果を活用したもので「CTスキャンなどを使わなくても、簡単に評価できることが特徴となる」(森氏)。このメタボスコアは長崎県佐世保市の大規模リゾート施設「ハウステンボス」内のテーマパーク「健康と美の王国」において活用されており、来場者がメタボスコアのiPadアプリにデータを入力すると、診断結果がプリントアウトされる。

 今後の展開としては、台湾の病院グループと進めているプロジェクトがある。これは、年に1回の健康診断とウエアラブルデバイスのリアルタイムモニターによるスコアリングを組み合わせて、より正確な健康状態を把握しようとするものだ。「年に1回の健康診断では分からなくても、1年を通して見ると繁忙期かどうかなどで健康状態は大きく変動している可能性がある。単にデータを集めるだけでなく、その結果を(健康対策の)施策に生かしていきたい」(森氏)。