Aldioアプリを起動した様子
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マイクなども展示。シアンス・アールはルクセンブルクのSavox Communications社製のBluetoothスピーカーマイクやヘッドセットも販売している
マイクなども展示。シアンス・アールはルクセンブルクのSavox Communications社製のBluetoothスピーカーマイクやヘッドセットも販売している
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 シアンス・アールは、スマートフォンをトランシーバーのように使えるようにするクラウド型IP無線通信ソフトウエア「Aldio」を「デジタルヘルスDAYS 2015」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)に出展した。トランシーバーなどのように免許や専用設備を必要とせず、携帯電話と比べて災害時にもつながりやすいことが特徴だ。

 Aldioは、スマホに専用アプリ(iOS6.0以降、Android3.0以降に対応)を、パソコンに専用ソフトウエア(Windows7以降に対応)をインストールすれば、3G、LTE、Wi-Fi通信網を経由して1対nのグループ通話ができるサービス。業務用スピーカーマイクやイヤホンマイクを使えば、ハンズフリーで通話でき、スマホをトランシーバーやインカムのように使える。システムの多重化や通信の暗号化で、業務利用に堪える信頼性を確保しているという。

 グループのメンバーの位置情報・移動情報をまとめて確認する機能や、通話内容を自動認識してテキスト化する機能、過去の会話を再生する機能、オフラインのユーザーのアプリを自動起動する「強制呼び出し」機能などを備える。1対1の個別通話も可能。指令者用パソコンからは、個別通話中に割り込みをかけることもできる。

 価格は、1ユーザー当たり月額1000円。2014年12月から販売している。既に、建設現場やバス、タクシー、物流業界、金融業界、ショッピングモールなどで採用されているが、デジタルヘルスDAYSでは病院内でのスタッフの通信手段として提案した。高信頼で、緊急時の会話をテキストで確認したり、後から聞き直したりできる点が、医療機関でも役立つと同社はみている。

 病院内では従来、医療機器への電波影響を懸念して携帯電話の代わりにPHSが多く使われていたが、2014年8月に電波環境協議会が院内のスマホ利用に関する新ガイドラインを公表。院内のスマホ利用の規制は緩和されている。同社はAldioで、PHSからの置き換え需要をとらえたい考えだ。