不都合な未来の1シーン(この映像作品へのリンクは次のページにあります)
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 多くの企業や研究機関が描く2020年の情報化医療の近未来像は、必ずしもバラ色の未来とは限らない。現行の医療制度の下では、医師の負担をいたずらに増やし、患者を情報の洪水に沈め、これまでに作りあげられた医療環境そのものを崩壊させかねないからだ。

 このままでは行き着いてしまうかもしれない2025年の「不都合な未来」。その不都合を起こさないための「情報化医療への処方箋」とはいかなるものなのか――。2015年9月30日~10月2日に東京ビッグサイトで開催する「デジタルヘルスDAYS 2015」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)では、この処方箋とその先にある2030年の情報化医療の未来について、次の2つのセッションでひも解く予定だ。

■10/2(金)11:00~11:40 カンファレンス
ソーシャルホスピタル 社会全体が医療を担う時代へ
京都大学医学部附属病院 医療情報企画部・教授 黒田知宏氏

■9/30(水)11:30~12:15 主催者企画(オープンシアター)
2030年、情報化医療の未来
兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 応用情報科学専攻 ヘルスケア情報科学コース准教授 竹村匡正氏

医学会総会2015で映像作品を公開

 そもそも、2025年の「不都合な未来」とは何か。

 ICTの進歩を背景に、多くの企業や研究機関は「こんなことが近い将来可能になる」という近未来の未来予想図を描き、技術開発や事業計画を着々と進めている。2020年の情報化医療の近未来像は、これらの取り組みのすぐ先にある、目の前に見えているものだ。

 具体的には、3つの近未来の姿が想像できる。すなわち、遠隔医療などによって実現する「居ながら医療」、日々の健康状態のモニタリングなどによって早期介入を図る「守護霊サービス」、最新の医療知識に基づくエビデンスを医師に与える「医師の知恵袋」、である。

 しかし、これら医療のICT化が描き出す未来は、常にバラ色とは限らない。研究者や企業が想像したサービスが、今の医療制度の下で導入されることで起きるかもしれないさまざまな不都合がある。日本医学会総会 2015 関西で学術テーマ展示2「ITがもたらす情報化社会の医療環境」を企画した同総会 学術展示委員会 医療IT WGは、2025年に訪れる不都合な未来を予測。映像作品として同総会で公開した。

 それが次の動画である。