群知能とはミツバチなどの昆虫が持つ習性の一つ。組織化した群れを成しながら、餌を得るためにそれぞれが巣から飛び立つ。餌を集めたミツバチは再び巣に戻る。いすゞはトラックを巣に、配達員をミツバチに見立てながら、効率的な配達を実現できるコンセプト車を考案した。
配達作業では、運転者1人と配達員5人を一つのチームとする。まず、集配所で六角形の積載用カセットに荷物を詰め込む。これを車両の側面に空いた同形状の空間に装填する。運転者が車両に乗り込み、配達エリアまで移動。現地に集合した配達員が車両から積載用カセットを取り出し、腕に抱えながら各配達先に赴く。
いすゞの説明員は「六角形は軽量化と耐久性の向上を両立しやすい構造体だ。円形に比べて輸送時には安定し、四角形に比べて配達員が抱えるときの負担は少ない」と語る。同説明員は「疲弊しているトラック運転者を助けたい」と続ける。コンセプト車では、配達作業の効率化による負担軽減に加えて、走行時の負担を減らす工夫を盛り込んだ。