例年東京モーターショーの前後には、クルマのイベントが多く開かれる。中でも注目したいのが、今年併催カンファレンスとして初めて開かれる「Future Mobility Summit Tokyo : 2017」だ(関連サイト)。

 同カンファレンスは、業界関係者を内外から招聘し、モビリティーの将来や課題について議論するもの。10月27日のDay2には自動車メーカーの経営者、技術者、ベンチャー企業の経営者が多く登壇する(関連サイト)。

 自動車メーカーでは、2017年4月に社名を変更したSUBARU社長の吉永泰之氏が、テレビ東京アナウンサーの森本智子氏と基調対談に登壇する。SUBARUはこれまでのクルマというハードウエアを売る会社から、「笑顔をつくる会社へ」との脱皮を図っている。消費者のモノからコトへのニーズ変化に対応して、顧客の笑顔が企業活動の目標であると再定義したのだ。サービス化が図られる製造業において、SUBARUが今後どのような戦略を取るのか、またクルマの安全や安心といった付加価値をどのように消費者の笑顔に変えていくのかが明らかにされそうだ。

 朝一番の基調講演では、自動運転やつながるクルマに欠かせない通信技術について、NTTドコモ社長の吉澤和弘氏が「自動運転、コネクテッドカーの実現に向けたNTTドコモの取り組み」として発表する。自動運転の地図配信のためにはもちろん、見通しの悪い交差点などで他車や歩行者の有無を確認するための手段としても通信技術の重要性は高まるばかり。従来V2Xの通信方式としてはDSRC(Dedicated Short Range Communications)が使われてきたが、携帯電話網を使ったセルラーV2Xの仕様策定も進んでおり、今後はその活用が広がる可能性がある。

 欧州では内燃機関から電気自動車(EV)へのシフトが声高に叫ばれているが、未来のパワートレーンについても自動車メーカー各社が発表する。2017年10月にJC08モードで400km走行できるEVの新型「リーフ」を発売した日産自動車は、電動化と自動運転技術について総合研究所所長の土井三浩氏が語る。また、トヨタ自動車とホンダは、燃料電池車や水素ステーション技術について述べる。マツダは内燃機関に電動化技術を組み合わせるという立場でパワートレーンの進化や、自動運転に対する考え方を披露する。

図1 日産自動車の新型「リーフ」
図1 日産自動車の新型「リーフ」
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