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1日5万人の患者データを生かし、薬局の価値を見いだす

日本調剤の三津原常務が講演

2016/09/21 10:00
小口 正貴=スプール
三津原氏
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 「日本の保険調剤薬局はコンビニエンスストアよりも多く、約5万7000カ所以上ある。この大きなインフラをもっと活用できるのではないか」――。「医療ビッグデータ・サミット2016秋」(2016年9月14日、主催:日経デジタルヘルス)に登壇した日本調剤 常務取締役の三津原庸介氏はこのように述べ、調剤薬局から見たビッグデータ活用の可能性について講演した。

 日本調剤は全国に538店舗を構える大手調剤薬局。同社は基幹システムを自社開発しており、経営戦略としてICTの利活用を推し進めている。この基幹システムと連動する独自の電子お薬手帳スマホアプリ「お薬手帳プラス」を開発。2015年に運用を開始し、現在までに会員が10万人を突破するなど、同社を代表するICTサービスに成長した。

 500を超える店舗には、1日5万人の患者が訪れる。「これだけの患者の声を生かさない手はない。調剤薬局は何をする場所かを考えたとき、医療のプレイヤーであると同時に、ヘルスケアの担い手でもあるとの結論に達した」(三津原氏)。自社システム連動の機動力を武器に、お薬手帳に記録したデータは会計ボタンを押した瞬間にサーバーに収集される。こうしたデータを医療領域にもヘルスケア領域にも生かしていく考えだ。

 その一つの取り組みとして、神奈川県と連携し、未病対策の実証実験「神奈川県マイME-BYOカルテ実証事業」に協力した。お薬手帳プラスで未病状態を“見える化”したことで、参加者の意識が変わったという。「アンケート結果では9割以上が健康維持や病気予防への意識が高まり、健康状態把握に役立ったと回答した」(三津原氏)。

 この実証における真のポイントは、薬剤師がアドバイスを行った点にある。アンケート結果では過半数が薬剤師の助言を希望し、薬剤師が入ることで運動を継続する意識も高まった。「医療のエリアになればなるほど、リアルの重要性は高まってくる。医療分野でのICT活用は、人と人とのコミュニケーションがあってこそ効果的になる」(三津原氏)。

 現在はまだ、実際に医療費が下がったり、服薬が順守されたりといったエビデンスには至っていないという。これらを解決する手立てとして、5万人のデータをデイリーで分析したり、処方箋データを解析したりするなどして、「医療費削減、薬剤の適正使用、アウトカムの向上など、さまざまなことに適用していきたい」(三津原氏)と結んだ。

日経デジタルヘルス Special

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