データヘルスは「3.0」へ

ミナケアの山本氏が講演

2016/09/19 09:00
赤坂 麻実=日経デジタルヘルス
山本氏
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 医療・ヘルスケア分野のデータ解析やサービス開発支援などを行うミナケアは、データを活用した医療・ヘルスケアの進展について、「医療ビッグデータ・サミット2016秋」(2016年9月14日、主催:日経デジタルヘルス)で講演した。同社 代表取締役で医師の山本雄士氏が語ったのは、「データヘルス3.0」と呼ぶ新たなフェーズについてである。

 山本氏によれば、データヘルス1.0とは政府の方針の下、保険者が主にコスト削減(医療費の抑制)を目的として、データヘルス計画の作成・実施・評価などに取り組むようになったフェーズ。データヘルス2.0は、医療の出資者でもある企業が、生産性向上に向けた健康投資をするようになったフェーズである。データヘルス1.0では、健康診断のデータとレセプトの支払い情報を突合し、2.0では企業内での所属部署などの人事データ(働き方の情報)も取り入れるようになった。

 これに対してデータヘルス3.0は、ニーズに即した医療・ヘルスケアサービスの創出・マッチングに向けたデータ活用が始まるフェーズだという。レセプト・健診データや疾患レジストリー、電子カルテのデータなど、いわゆる「リアルワールドデータ」を活用して、治験だけでは分からない治療や医薬品の実効性を検証していくフェーズである。

 データヘルス3.0の例として、山本氏は体重と血圧の相関についての研究を挙げた。肥満と高血圧が相関していることはよく知られているが、ミナケアでは、減量すれば服用する薬の種類は減らせるのか、減らせないのはどういう場合かなどを、データ収集・解析で患者の動線を確認しながら明らかにする研究を進めているという。また、医薬品の市販後調査を、大規模データを用いて迅速に行い、必要に応じて実地検証する方法などを研究しているとした。

 最後に山本氏は、サービスの価値とデータ活用について次のように語って講演を締めくくった。「一般に、サービス提供者は届けるべき価値を見出し、資源を確保して手順を設定し、利益を得る。これがイノベーションが生まれる流れ。しかし、ビジネスが成熟すればするほど、利益を上げてきた既存のビジネスモデルに固執して、価値よりも優先させてしまいがちだ。あくまで価値から考えていけば、以前のビジネスで競合だった会社がパートナーになったり、アウトソース先がキャッシュポイントになったりするのは当たり前のこと。ニーズに合うサービスを届けるために、データを活用していくべき」。