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撮像イメージ(Fairchild Imaging社のデータ)
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 米Fairchild Imaging社は、「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7~10日、幕張メッセ)で、最大60フレーム/秒のVGA(640×480画素)遠赤外線カメラの動作デモを日本で初めて実施した。遠赤外線カメラは、熱を検知するため暗闇でも撮像できる。軍用で使われることがあるので、米国政府は米国メーカーの先端品の米国外持ち出しやデモなどを制限してきた。

 今回、米国政府が多画素で高フレームレートの製品のデモを日本で認めたことは、遠赤外線カメラ技術に対する米国の姿勢の変化を反映している可能性がある。すなわち、他国が軍事転用するリスクよりも民生展開による産業界へのメリットを重視するようになったという変化である。「(かつて軍用中心に使われていた)GPSの場合、輸出許可が下りた途端に産業分野へ一気に広がった。遠赤外線カメラでも同様のことが起こるのではないか」(同社Director, Japan Sales & Operationsの鈴木 久之氏)。

 同社は、VGAのほかフルHDカメラといった多画素の遠赤外線カメラの開発を終えており、民生分野では自動車のナイトビジョンやセキュリティカメラなどへの搭載を狙っている(関連情報)。多画素であれば、ヘッドライトが届かない遠方の像が、人なのか動物なのかをより正確に判別できる。セキュリティカメラでは、人の顔や車のナンバープレートなどの文字を画像処理によって認識しやすくなる。