パナソニックは、「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7~10日、幕張メッセ)の会場において、「水素社会実現に向けた取り組み」と題したコンセプトを展示した。都市ガスで発電する燃料電池システムが2020年に向けて飛躍的に拡大し、2020~2030年に向けては燃料に直接水素を利用する水素燃料電池の本格導入が始まるとしている。
ただし、現状の水素生成の多くが二酸化炭素(CO2)の発生を伴うものが多い。そのため、2030年以降には太陽光から水素を生成する構想を進めたい考えだ。現在、研究しているのが、光触媒による水素生成である。
光触媒は、紫外光で励起する二酸化チタン(TiO2)が有名だが、パナソニックでは可視光領域で励起する材料の研究を進めているという。具体的には、ニオブ(Nb)系窒化物(NbONやNb3N5)を用いている。理論的には全太陽光の57%を利用できるとする。
こうした中長期的な構想をパナソニックが披露するのは珍しいことだが、こうしたビジョンを広く喧伝することで、新たな顧客層の開拓やこれまでにない用途への展開などを探りたいとしている。