千葉県幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2015」(10月9日まで)のブースで、デンソーが新規事業の製品を多数披露している。これまで、同社の展示会のブースには、自動車部品が多数並んでいるというのが定石だった。今回は異色の展示と言えよう。

図1●デンソーのブース 日経エレクトロニクスが撮影。
図1●デンソーのブース 日経エレクトロニクスが撮影。
[画像のクリックで拡大表示]
図2●さまざまな新規事業を展開 デンソーのパネル。
図2●さまざまな新規事業を展開 デンソーのパネル。
[画像のクリックで拡大表示]
図3●ブース内のステージでもハンドクリームをアピール 日経エレクトロニクスが撮影。
図3●ブース内のステージでもハンドクリームをアピール 日経エレクトロニクスが撮影。
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は自動車用部品で培った技術をベースに、新規分野への進出を積極的に図っている(日経エレクトロニクス関連記事)。今回のCEATECでは、「地球と生命を守り、次世代に明るい未来を届けたい」をテーマに展示を行った(ニュース・リリース)。

 ブースでは、超小型電気自動車、太陽光発電、蓄電池と車両管理システムを組み合わせた「ピコグリッドシステム(Pico Grid System)」やけん玉ロボットが目立つが(図1)、筆者の目を引いたのは、受付付近に掲げてあった「新規事業への取り組み」というタイトルが付いた説明パネルである(図2)。

 そこには、バイオ、住宅設備機器、情報ソリューション、農業支援、電動アシストなどなど、階層の異なる言葉が自由に並んでおり、「新しいことやってるな」感が満載である。ブースの説明員が新規事業の中で最も一般消費者に近いと言っていたのが、「moina(モイーナ)」というハンドクリーム(図3)。上述した説明パネルの「バイオ」分野の製品である。

 同社は、微細藻を使って工場から排出させるCO2を吸収させてバイオ燃料を作る研究に取り組んでおり、その副産物と言えるのがこのハンドクリームだという。2014年11月からインターネットで販売を始め、初年度分の1万5000個(1瓶30g入り、税送料別1400円)は完売。今年度はチューブ入りの製品も用意し、全部で5万個を用意したという(「moina」の紹介ページ)。