保険会社ともタッグ

 人の介在の重要性を示す事例の一つが、残薬調整への効果だ。日本調剤では2016年10月~2017年6月に、患者の服薬管理によって8440万円分の残薬削減効果を得た。この際、残薬調整を担うのがかかりつけ薬剤師か勤務薬剤師かの違いによって、平均残薬調整額に差が出ることが明らかになった。今後もさまざまなデータの見える化とその追跡によって「治療効果や医療費削減効果がかなり見えてくるのではないか」と三津原氏は話す。

“薬剤師×ICT”の効果を実証
“薬剤師×ICT”の効果を実証
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 東京大学とは、ICTと薬剤師による介入が糖尿病の発症・重症化予防に与える影響に関する実証研究を開始した(関連記事2)。直近では、第一生命保険が提供する健康支援アプリ「健康第一」とお薬手帳プラスの連携にも乗りだしている(同3)。

 「今までは考えられなかったさまざまな業種と薬剤師の力を合わせ、医療の質を向上させたい。ICTだけでもヒューマンパワーだけでもなく、両者を合致させて次世代の薬局づくりを進めていく」(三津原氏)と意気込みを語った。