口腔状態を可視化するために、同社では唾液検査プログラム「SMT」を開発した。3ccの水を口に含み、紙コップに戻したものを検体として使用する。歯や歯茎の健康状態、口腔清潔度などを測定できる。検体を装置にセットすれば5分で結果が分かるため、すぐに患者に結果を説明することが可能だ。
SMTを使った唾液検査は、2017年2月と9月に行われた弘前COIの新型健診で実施された。新型健診は、「メタボリックシンドローム」「ロコモティブシンドローム」「口腔保健」「うつ病・認知症」の4テーマを総合的に健診し、初回の検査結果を基に健康アドバイスを行うというものである。
弘前COIで歯科データの収集が進む一方、疾患がない状態で定期的に歯科医院を受診する人が「非常に少ない」と和田氏は指摘する。定期的に受診する人とそうでない人では加齢に伴う残存歯数にも差が生じているという。さらに、社員に対して歯科健診を実施する企業も少ないという。「歯科健診を受けている人とそうでない人には医療費に差が出ている。健康経営が重視されている今、歯科健診にも目を向けてほしい」と和田氏は訴えた。
今後は、SMTを使った唾液検査についての「エビデンスを構築していきたい」と和田氏は語る。まずは、歯周病と疾病や生活習慣の関係を調べていく考えだ。