「キーボードを打てるようになって復職したい」「娘にお弁当を作りたい」「階段の上り下りができるようになりたい」――。

「リハビリコーチ」画面イメージ
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 脳梗塞患者などが抱くこうした目標に合わせて、自宅でリハビリテーションプログラムを受けられる。そんなサービスを、ワイズが「デジタルヘルスDAYS 2017」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)で披露した。オンライン自主リハビリコーチングサービス「リハビリコーチ」である。

 リハビリコーチは、利用者がビデオチャットを通じて専門家に悩みを相談し、自らに適したリハビリプログラムの動画を見ながら自宅でトレーニングできるアプリだ。スマートフォンやタブレット端末から利用できる。2017年11月に提供開始を予定している。

 同社は現在、国内9カ所で脳梗塞リハビリセンターを運営している。個人の状況や目標に合わせて症状の改善を目指す保険適用外のリハビリテ―ションを行う施設である。これまで3年間で、2000人以上にサービスを提供してきた。

「デジタルヘルスDAYS 2017」のオープンシアターに登壇したワイズ 代表取締役会長兼CEOの早見泰弘氏
「デジタルヘルスDAYS 2017」のオープンシアターに登壇したワイズ 代表取締役会長兼CEOの早見泰弘氏
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 しかし、施設の場合、距離や費用などを理由に通えない人も多くいた。脳卒中患者とその家族を対象にした調査によると、「5割以上の人が退院後のリハビリ環境が不十分と感じており、7割近くの人が自費リハビリを受けてみたいと答えていることが分かった」(ワイズ 代表取締役会長兼CEOの早見泰弘氏)という。

 さらに、作業療法士と理学療法士、言語聴覚士などの専門家が患者数に対して足りていない地域もあると早見氏は指摘する。特に言語聴覚士は国内に2万7000人しかいないため、住んでいる町に一人もいない可能性もあるのだ。

 そこで着目したのがオンラインの活用だった。「オンラインを活用することで安価で手軽な在宅で行えるリハビリサービスを広めたい」(早見氏)。

 健康相談や遠隔診療などオンラインの医療・健康サービスが普及し始めていることも、リハビリコーチ開発の後押しとなった。実際に、同社が30~70代の15人の男女を対象にトライアルを実施したところ、87%の人がオンラインリハビリに満足し、67%の人が効果を実感したと答えたという。

オンラインリハビリのトライアル結果
オンラインリハビリのトライアル結果
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