ユニオンツール 開発部 三島開発課 係長の坂田勝亮氏
ユニオンツール 開発部 三島開発課 係長の坂田勝亮氏
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 血圧計のように、一家に1台心電計を――。「デジタルヘルスDAYS 2017」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアタ―に登壇したユニオンツール 開発部 三島開発課 係長の坂田勝亮氏は、同社が手掛ける携帯型心電計「myBeatホームECG」の位置付けをそう語った。

 病院や健康診断の心電図検査では、発作性の不整脈を捉えることは難しい。24時間心電図を測定できるホルター心電計を使っても、「装着時間内に必ず不整脈が捉えられるわけではない」と坂田氏は指摘する。そこで、不整脈に伴う動悸やめまい、胸の不快感などの症状が現れたときに家庭などで手軽に心電図を測定できるツールとしてmyBeatホームECGを開発した。クラスⅡの医療機器としてすでに発売している。

携帯型心電計「myBeatホームECG」。(左)専用アプリ画面、(中央)胸に貼り付けるパッチ、(右)手で持って測定できるアタッチメント
携帯型心電計「myBeatホームECG」。(左)専用アプリ画面、(中央)胸に貼り付けるパッチ、(右)手で持って測定できるアタッチメント
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電極を直接胸に貼り付けるディスポーサブルタイプ
電極を直接胸に貼り付けるディスポーサブルタイプ
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 myBeatホームECGは、胸に電極を直接貼るディスポーサブルタイプと、電極を備えるアタッチメントを手で持つタイプの2種類の測定方法がある。専用のスマートフォンアプリの指示に従うだけで、「一人でも簡単に心電図を測定することができる」と坂田氏は言う。

 測定した心電図はすぐにクラウド上で異常がないかを分析し、有料のレポートサービスで結果をわかりやすく利用者に返す。具体的には、心電図の波形に加えて、アプリに入力した自覚症状や平均心拍数などを記載したサマリーと、心電図から読み取れることを示したトレンドグラフを作成する。レポートは2カ所に転送することができるため、離れて暮らす家族や医療機関に送ることが可能である。

 myBeatホームECGを利用して、不整脈を検出した事例も紹介した。60代の男性が初診外来時に脈の不整を指摘され、ホームECGを使って心電図を記録したところ、心房細胞の特徴である不規則な拍動間隔が見られた。その後、あらためてホルター心電計で24時間心電図をモニタリングしたところ、突発性心房細動と診断されたのだ。「心房細動の早期発見に有効であると示された」と坂田氏は述べた。