眠気やイライラ、頭痛――。月経に伴って生じるこうした症状によって、多くの女性が働きにくさを感じている。

 この課題の解決に挑むのが、ニーズ先行型のサービス提供を目指すコニカミノルタの一部門、BIC(Business Innovation Center) Japanである。同部門でインキュベーションリードを務める江尻綾美氏は、「デジタルヘルスDAYS 2017」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアターに登壇し、現在開発中のサービス「女性のココロとカラダサポートプロジェクト」について説明した。

女性のココロとカラダサポートプロジェクトの概要
女性のココロとカラダサポートプロジェクトの概要
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 月経に伴って生じる心と体の不調は、総称して「月経随伴症状」と呼ばれる。月経が始まる2週間~数日前に気分の落ち込みや腰痛などの症状が出るPMS(月経前症候群)もその一つだ。

 こうした月経随伴症状は、生産性の低下やQOLの低下につながり、「月経随伴症状による年間の経済損失は、少なく見積もっても4900億円に上ると言われている」と江尻氏は話す。PMSによって日常生活や仕事に何らかの支障を感じている人は、「月経がある女性のうちの3割に上る」(同氏)といい、月経随伴症状による働きにくさは無視できるものではない。

 しかし、多くの女性が月経随伴症状に悩まれていても、「どの時期にどういう症状が出ているのかきちんと認識していない」と江尻氏は指摘する。さらに、婦人科での検査は「デリケートなものだからできれば受診したくない」と感じ、症状が重くなるまで医療機関に足が向かない人も多いという。