ホンダは着脱可能なリチウムイオン蓄電池を「CEATEC JAPAN 2017」(幕張メッセ、2017年10月3~6日)で公開する(図1、2)。電動2輪車(EVバイク)や超小型電気自動車(EV)をはじめ、家庭用の電源として共用できる特徴がある(関連記事1)。電池容量は1kWh以上を見込む。電池セルは民生用に大量に流通する「18650」の活用を視野に、パナソニックや韓国LG社などからの調達を検討している。

図1 ホンダの着脱可能なリチウムイオン畜電池、容量は1kWh以上
図1 ホンダの着脱可能なリチウムイオン畜電池、容量は1kWh以上
[画像のクリックで拡大表示]
図2 質量は8kg前後を想定している
図2 質量は8kg前後を想定している
[画像のクリックで拡大表示]

 質量は1個あたり8kg前後になる見通し。寸法は概算で全長150×全幅170×全高300mmほどである。搭載個数はEVバイクなら1~2本、超小型EVなら4本ほどを想定。「軽自動車や乗用車に適用するには、電池を10~20個搭載することになる。電池交換の手間がかかり現実的ではない」(本田技研工業ビジネス開発統括部主任技師の中島芳浩氏)という。

 着脱式の車載電池には多くの利点がある。(1)電池の搭載個数を変えることで、狙った航続可能距離を達成しやすいこと、(2)技術進歩に合わせて電池を改良して搭載できるため、車両の性能を高めやすいこと、(3)一つの電池を多種の用途に使い回せるため、消費者が支払う車両の購入費用を大きく下げられること――などだ。さらにホンダが力を入れるのは、電池を日常生活に利用する提案だ(図3、4)。

図3 キャリーケースに入れて持ち運びを支援する
図3 キャリーケースに入れて持ち運びを支援する
[画像のクリックで拡大表示]
図4 出力用のUSB端子を3個、交流コンセントを2個搭載
図4 出力用のUSB端子を3個、交流コンセントを2個搭載
[画像のクリックで拡大表示]