2016年10月4~7日に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2016」では、例年のようにチップ形受動部品の小型化に向けた取り組みが紹介されていた。例えば、0201サイズ(外形寸法が0.25mm×0.125mm×0.125mm)のチップ部品について、太陽誘電やKOAは、実装機各社の協力により、それぞれコンデンサー(積層セラミックコンデンサー、MLCC)と抵抗の実装例を展示していた。村田製作所は「CEATEC AWARD 2016」のテクノロジ・ソフトウェアイノベーション部門で準グランプリを獲得した0201サイズのインダクター「LQP01HQ」を展示していた。スマートフォンなどで採用されているという。

太陽誘電が展示していた、富士機械製造、パナソニック ファクトリーソリューションズ、エーエスエム・アッセンブリー・テクノロジーの実装機メーカー3社による実装例。0201部品は、はんだボールよりも小さかった。
太陽誘電が展示していた、富士機械製造、パナソニック ファクトリーソリューションズ、エーエスエム・アッセンブリー・テクノロジーの実装機メーカー3社による実装例。0201部品は、はんだボールよりも小さかった。
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村田製作所の展示。ポップがついているのが0201サイズのインダクター「LQP01HQ」。ウエアラブル機器に向けた製品の1つとして紹介されていた。横に添えられたルーペを使ってもよく見えなかった。
村田製作所の展示。ポップがついているのが0201サイズのインダクター「LQP01HQ」。ウエアラブル機器に向けた製品の1つとして紹介されていた。横に添えられたルーペを使ってもよく見えなかった。
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 ただし、特にコンデンサーでは、0201サイズ以降の小型化が進むというよりは、必要な性能を満たしつつできる範囲で低背化を進めている様子が見られた。プリント基板への部品埋め込み(部品内蔵基板)ニーズにより、低背化要求が強まっているという。部品内蔵基板は配線距離を短くできるという利点がある。

 MLCCを展示していた太陽誘電では、0201サイズで定格電圧4V、静電容量が0.047μFの製品を開発するなど、小型大容量化を進めていることがアピールされていた。説明員によれば、0201サイズのコンデンサーは通信モジュールなどで採用されているが、「0.1μFまで大容量化できるかどうかが、幅広い普及の目安になる」とのことで、0201サイズの普及にはまだ時間がかかりそうだ。そこで同社では0603サイズで高さが0.08mmと低い定格電圧4V、静電容量0.1μFの開発品を紹介していた。実装面積は0.6mm×0.3mmだが、高さは0201部品よりも薄くできる。

太陽誘電のMLCC開発状況に関する展示。
太陽誘電のMLCC開発状況に関する展示。
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 また、さらに容量が大きい1μF品については、0402サイズ(0.4mm×0.2mm×0.2mm)でも実現が難しいとして、05025サイズ(0.5mm×0.25mm×0.25mm)品の開発を進めているとする。05025は、0603サイズ(0.6mm×0.3mm×0.3mm)と0402サイズの中間で、以前は提案されていなかったサイズだが、最近は各社が提案し始めているという。