日本電産は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)に向けた駆動モーター事業に本格的に参入する。同社は、その「尖兵」と言える駆動モーターシステム「E-Axle」を新たに開発。2019年から生産を始める(発表資料)。

インバーター(左)とギア一体型駆動モーター(右)
インバーター(左)とギア一体型駆動モーター(右)
(写真:日本電産)
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 日本電産はこれまで、中国を中心に市場が伸びている「低速電気自動車(LSEV)」のような、短距離の搬送に利用する低速な商用EVの駆動モーターを手掛けてきた(関連記事)。今回のような一般的なEVやPHEVに向けた駆動モーターへの本格的な参入は初めてである。

 開発した駆動モーターシステムは、駆動モーターやギアボックス、インバーターなどからなる。同システムの出力は40k〜150kW、トルクは同1200〜2550N・mで、小型車からセダン、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)まで対応できるという。新たな冷却システムを導入することで、従来品に比べて、駆動モーターシステムを小さく軽くできたとする。例えば、出力130kW品の場合、重さ80kgである。

 冷却システムを搭載した駆動モーター単体の販売も予定する。この他、要望があれば、電動ウオーターポンプや電動オイルポンプなどとセットにして販売するという。