司会はソニー・インタラクティブエンタテインメントの吉田修平氏
司会はソニー・インタラクティブエンタテインメントの吉田修平氏
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パネリストはゲームメーカー、ゲーム開発環境ベンダーなどで活躍する5人
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 ゲーム開発者向けの講演/展示会「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス(CEDEC)2016」が2016年8月24日、パシフィコ横浜で開幕した。今年はVR(Virtual Reality)関連の展示や講演が目立つ。会期3日間の初日は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏がモデレーターを務め、コンテンツ制作者や開発ツールのメーカーなどを集めてVRについて語るパネルディスカッションが行われた。

 ディスカッションに先立ち、SIEの吉田氏が同社のVR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「PlayStation(PS) VR」を紹介した。「技術にくわしくない人でも買ってすぐ使えるということを大切にしている。有機ELディスプレーに120フレーム/秒の処理と、家庭用機器としてはハイエンドだが、大量生産により価格を抑えて提供する」という。実際PS VRは2016年10月13日に4万4980円(税別)で発売予定で、同種のVR用HMDよりも安価である。

 ディスカッションでは、VRで実現したことや開発の留意点、今後の可能性などが語られた。バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏は「VRで実現したかったのは、ゲームキャラクターに対する感情移入。今までは、こっち(プレーヤー)が向こう(ゲームのキャラ)を見ていた。向こうがこっちを意識する世界を作れれば、自分が本当にゲーム空間内にいるかのように感じられる。それが(PS VR用ソフトの)『サマーレッスン』」と話す。VR空間で女性キャラとコミュニケーションが取れるサマーレッスンは、すでに展示会などで好評を博している。

 グリーの荒木英士氏はVR空間でプレーヤー同士のコミュニケーションが広がる可能性に期待している。「当社はもともとSNSの会社で、VRコンテンツも、リアルのコミュニケーションをゲームの世界に持ち込むという発想で作っている。社内ではVRのテーブルゲームを試作しているが、従来型のゲームと違って、隣のプレーヤーの手札をのぞき見ようとしたり、隣のプレーヤーが手札の角度を変えてそれを防いだりと、本当にその空間に集まって遊んでいるような感覚を得られるので面白い」と語る。