レスコの精神科向けクラウド型電子カルテの画面。カルテ記事右端に治療歴・エピソード歴がカレンダーバーで表示される
レスコの精神科向けクラウド型電子カルテの画面。カルテ記事右端に治療歴・エピソード歴がカレンダーバーで表示される
[画像のクリックで拡大表示]

 精神科医療に特化したシステムを提供しているレスコ(本店:広島市、旧ベータソフト)は、精神科向けクラウド型電子カルテ「Warokuクリニックカルテ」を「国際モダンホスピタルショウ2017」(2017年7月12~14日、東京ビッグサイト)に展示した。2017年5月にファーストユーザーが本稼動し、同7月に正式リリースしたばかりの製品で、2018年春までに精神科デイケア、Web予約機能をリリース、そのあとに患者用アプリ、訪問看護、院内メッセンジャーなどのオプション機能を順次実装していく。価格は、月額1万8000円から。

 FRONTEOと共同で同社の人工知能(AI)エンジン「KIBIT」を利用し、患者の暴力リスクを指標化する検証を進めている。将来、Warokuクリニックカルテの情報も学習データとして活用していくという。

 Warokuクリニックカルテのコンセプトは、「(クラウド型電子カルテのメリットを生かした逐次)進化する電子カルテであることと、導入にかかわるSEコストが発生しないようユーザー自身で導入可能なシンプルさ」だと同社営業戦略部の横澤恒氏は説明する。医事会計は日医標準レセプト「ORCA」と連携する。

 特徴は、「精神科に特化したシンプルな画面構成で、直感的に入力可能」(同氏)であること。サマリー欄に簡易サマリーを入力すれば、精神科ならではの各種報告書への転記が簡単に行えるほか、精神療法テンプレートや診察テンプレート、問診テンプレートなど精神科専用の記録記載ひな形が用意されている。また、精神科・心療内科の患者は長期にわたり継続または断続的に受診することが多いため、治療歴・エピソード記録歴がカレンダーバーに表示、すぐに過去の情報にアクセスできるよう工夫されている。

 「精神科医療も今後は在宅にシフトする一方、デイケア機能を併設してグループ活動なのプログラムを実施する施設も増えつつある。こうした多機能型精神科診療所でも利活用してもらえることを想定している」(代表取締役の藤川義雄氏)。これに向けて、デイケアオプションや訪問看護オプションなど、さまざまな診療形態に対応する機能を実装していく計画だ。

 また現在、同社の精神病院向け診療支援システム「Alpha」が「精神科病院で最も多く利用されている」(同氏)ことを生かして、カルテ記事をKITBITで学習させ、患者の暴力リスク予測を指標として数値化する検証を行っている。「将来的にはWarokuクリニックカルテの情報も学習データとして取り込んでいくことを予定している」(同氏)という。

■変更履歴
記事初出時、第1段落で「2017年5月」としていたのは「2017年6月」、「Web予約機能」としていたのは「Web予約機能をリリースした後に」、「月額1万8000円」としていたのは「月額1万8000円から」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。