Open-Karteのデータからリハビリテーション実績指数(右端)などの算出し、ダッシュボード上に表示
Open-Karteのデータからリハビリテーション実績指数(右端)などの算出し、ダッシュボード上に表示
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 日立製作所は、中小規模医療機関向け電子カルテ「Open-Karte」シリーズを、「国際モダンホスピタルショウ2017」(2017年7月12~14日、東京ビッグサイト)に展示した。回復期リハビリテーション病棟を持つ施設向けに、リハビリテーション実績指数のテンプレートなどの医療分析ソリューションを同年7月12日より提供開始、同年10月には病院・介護連携ソリューションを追加提供する。

 医療分析ソリューションは、日立INSソフトウェアの分析ソフトウエアをOpen-Karteと組み合わせた。分析のテンプレートとして、一般的に利用されている医療機関の経営指標(延患者数・実患者数、病床稼働率・入院患者数、外来患者数・新入院患者数、患者1人当たり単価、患者1日当たり単価、平均在院日数)に加え、回復期リハビリテーション病棟を持つ施設向けに開発した実績指数のテンプレートを追加した。

 リハビリテーション実績指数は、入院から退院までの間のADLの改善状況と、在院日数に着目し、回復期リハビリテーション病棟を評価する指数。2016年度の診療報酬改定で、実績指数の公表が義務付けられ、猶予期間を経て2017年4月から実施に移されている。実績指数が一定の水準に達しない場合、疾患別リハビリテーションは6単位までしか出来高算定できず、6単位を超えるリハビリテーションは入院料に包括される。

 各施設の実績指数は、各患者のFIM(機能的自立度評価表)にかかわる総和、各患者の在棟日数および状態ごとの回復期リハビリテーション病棟入院料(算定上限日数)の総和などから算出し、3カ月ごとの報告が義務付けられている。「多くの施設がExcelなどを使い、手作業で苦労して計算している。医療分析ソリューションではテンプレートを提供し、ダッシュボード上に表示できるようにした」(同社の説明担当者)。

 一方、病院・介護連携ソリューションは、Open-Karteと日立システムズが介護・福祉施設向けに提供している「福祉の森」を連携するもの。介護施設を利用している利用者が緊急入院になった場合に、利用者の基本情報と介護施設での食事内容や服薬履歴といったケア記録などをOpen-Karteに提供・参照できる。逆に退院後に介護施設に移動した場合には過去の病歴や薬歴、入院時の状態や退院予定日などを連携し、介護施設で参照できるようになるという。