左がナースカート組み込み型(一体型)、右がナースカートに後付け型
左がナースカート組み込み型(一体型)、右がナースカートに後付け型
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後付け型では専用の金具で必要な端末を既存のナースカートに取り付ける
後付け型では専用の金具で必要な端末を既存のナースカートに取り付ける
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 島津エス・ディーは、看護師のバイタルデータ入力業務を効率化するナースカート搭載型の「バイタルデータターミナル NC」を「国際モダンホスピタルショウ2017」(2017年7月12~14日、東京ビッグサイト)に展示した。患者の体温や血圧、脈拍、酸素飽和度、血糖値などをNFC対応機器で測定後、機器をかざすだけで測定データを自動的に取り込める。

 同社は既に、一般病床の各ベッド脇に端末を1台ずつ設置する固定型の「バイタルデータターミナル」を販売済み。2016年5月から、京都大学医学部附属病院で大規模運用が始まっている(関連記事:京大病院のICT改革(上):バイタル記録は「かざす」だけ)。

 ただし各ベッド脇に端末を1台ずつ設置する方式では、規模が小さい病院などではコスト面で負担がかかる可能性がある。そこで今回は、同等の機能をナースカートに搭載できるようにした。これにより、各病棟に数台導入すれば済み、病院にとっては導入費用を抑えられる。

 今回、既存のナースカートに必要な端末を後付けできるタイプと、あらかじめナースカートに一体化したタイプの2種類を用意した。価格は、前者が20万円、後者が35万円(いずれも税別)である。2017年7月12日に販売を開始した。

 今回の製品では、患者情報とベッド情報の双方を自動検知して患者を特定する。具体的には、ナースカートの前方から約3mの範囲で、専用の検知タグを身に着けた患者を自動検知する。また、ベッドに取り付けた電子タグから約30cmの距離で電子タグを読み取ってベッド情報を取得する。オプションで、従来のバーコードを読み取る方法による運用も可能という。