2018年度診療報酬改定で点数化されたオンライン診療。「国際モダンホスピタルショウ2018」(2018年7月11~13日、東京ビッグサイト)では、関連するソリューションの展示が数多く見られた。その一つが、オンライン診療システムと連携する電子カルテである。

 オンライン診療システム「YaDoc」を提供するインテグリティ・ヘルスケアは2018年5月、YaDocを5社の電子カルテシステムと連携することを発表していた(関連記事)。今回の展示会では、このうち日立ヘルスケアシステムズとPHCホールディングスの2社が、YaDocと電子カルテの連携ソリューションを披露した。

YaDocと連携する日立ヘルスケアシステムズのHi-SEED W3 EXV
YaDocと連携する日立ヘルスケアシステムズのHi-SEED W3 EXV
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 日立ヘルスケアシステムズは、2018年7月2日に提供を開始した無床診療所向け画像ビューアー一体型電子カルテシステム「Hi-SEED W3 EXV」との連携を展示した。患者のカルテ画面を開き、画像ビューワ選択メニューでYaDocを選択すると、患者ID連携によりYaDocの当該患者のオンライン診察画面が起動する。オンライン診察開始ボタンで患者側デバイスを呼び出し、電子カルテの前回記事などを参照しながら診察できる。

YaDocと連携するPHCのMedicom-HRV
YaDocと連携するPHCのMedicom-HRV
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 PHCは、最新の診療所向け電子カルテシステム「Medicom-HRV」との連携を披露した。日立ヘルスケアシステムズのケースと同様、オンライン診療を行う患者カルテを開き、画面上のランチャーをクリックするとYaDocオンライン診察画面が起動する。

 YaDocにはオンライン診察当日の問診情報やバイタルデータなどを登録できるが、両社とも現段階では電子カルテとのデータ連携は行っていない。「問診情報は、電子カルテの問診情報画面の各フィールドにコピー&ペーストすることは可能。今後、YaDocの問診やバイタルデータをできるだけ電子カルテ側に一元化したい」(日立ヘルスケアシステムズの担当者)としている。

 日立ヘルスケアシステムズのHi-SEED W3 EXVは医用画像管理システムと一体化している。このため、患者が自らのスマホで撮影した患部写真などをYaDocの機能を利用して、電子カルテの当該患者フォルダーに取り込むことは容易だという。

 一方、PHCも「YaDocとのデータ連携は今後、優先順位を見極めながら実現していきたい」(PHCメディコム事業部の担当者)とする。特に、YaDoc側の予約機能から電子カルテを連動できるよう対応するという。