「K2016(第20回国際プラスチック・ゴム専門見本市)」が2016年10月19日~26日にドイツ・デュッセルドルフのMesse Düsseldorfで開催された。前回より1万2000人多い23万人が160カ国から来場、3285社がポリマー新素材、射出成形機、金型、樹脂製品などの最新技術を出展した(図1)。

図1 世界各国から23万人が来場した
図1 世界各国から23万人が来場した
photo:Messe Düsseldorf/ctillmann
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 大きなテーマになっていたのが、樹脂による環境負荷の低減である。特に、廃棄された樹脂が海で微細化されて生物に取り込まれるMarine Litter(海洋ゴミ)への問題意識が欧州で高まっていることを感じさせられた。その対策の1つでもある、植物由来のバイオ樹脂などの新材料と生産プロセスの展示が注目を集めた。

 最新技術では、繊維によるプリプレグに短繊維強化樹脂を組み合わせるなどの複合成形体の生産システムが目立った。さらに、Industry 4.0をはじめとするIoT(Internet of Things)への取り組みを進め、生産品目を柔軟に変更可能にしたシステムの展示、精密成形品や多数個取りを実現する射出成形機と金型の技術の展示などが多くみられた。

 3回にわたって、K2016のセミナーや展示と、そこに見られた樹脂成形産業の最新動向を紹介する。今回は環境意識の高まりについて解説する。