2016年10月にドイツ・デュッセルドルフで開催予定の「K2016」(第20回国際プラスチック・ゴム専門見本市、2016年10月19~26日)。主催のドイツMesse Düsseldorf社が開催した事前説明会(Kプレビュー)から、有力企業がK2016で出展する内容を紹介する。

ドイツReifenhäuser社

 熱可塑性樹脂の押出成形機、シート成形機のドイツNo.1メーカーである。「Setting The New Standards」を今回のモットーに掲げ、押出成形機、シート成形機のハイエンド仕様を業界の新しい標準に位置付ける世界戦略を推進する。アジア諸国などの類似機械に対して歴然とした差異化を図るために、追従が困難なレベルを新標準として収益性の向上を目指す。

 また、Industrie 4.0に積極的に対応し、機械のモニタリング、制御、メンテナンス、フレキシブル生産が平易に行えるようなインターネット活用システムを開発した。Industrie 4.0 VRは、作業者がVR(仮想現実感)を応用したヘッドセットを装着し、3Dグラフィックスによる立体的な表示を見ながら成形機の操作、調整などの作業を効率的に進められるようにしたシステムである(図1)。

図1 Industrie 4.0 VR
図1 Industrie 4.0 VR
(写真:Reifenhäuser社)
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フランスSepro社

 射出成形機の成形品取り出し用ロボットメーカー。7X-100XLは5000t級の大型射出成形機用取り出しロボットであり、5軸サーボ制御で可搬重量は100kgである(図2)。K2016では「Mercedes-Benz C Class」のバンパーの取り出しを実演する。制御装置はスイスStaübli社のものを採用している。

図2 成形品取り出し用ロボット「7X-100XL」
図2 成形品取り出し用ロボット「7X-100XL」
(写真:Sepro Group)
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 6X-400は安川電機と共同開発した6軸ロボットで、K2016ではドイツAudi社製自動車のバンパー取り出しを実演する。フランスと日本のメーカーが共同開発して新製品を生み出すパターンは、ここ数年成功例が見られるようになった。フランスが旧宗主国として文化的な影響力を持つベトナムにおいて、日本から進出する企業とフランス企業が接点を持つようになったこともその理由の1つに挙げられる。自動車部品や航空機部品などの大型射出成形品の需要は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)採用の軽量化構造が進歩するのに伴って、今後増加する可能性がある。

 同社は生産性向上、安全実現はもちろん、フレキシビリティーも重視して開発している。