NECは、眼鏡型ウエアラブル端末を使った新しいユーザーインターフェースとして、ユーザーの腕を仮想キーボード化し、それを非接触で操作できる「ARmKeypad Air(アームキーパッド・エアー)」を開発した(プレスリリース)。医療機関などでの導入を見込んでおり、「国際モダンホスピタルショウ2016」(2016年7月13~15日、東京ビッグサイト)で初披露した。

診療情報を、腕でチェック
診療情報を、腕でチェック
[画像のクリックで拡大表示]

 アームキーパッド・エアーは、眼鏡型のウエアラブル端末(スマートグラス)と画像認識技術を使ったAR(拡張現実)型のユーザーインターフェース。スマートグラス装着者の上腕に仮想のキーボードを表示し、これを指を使って非接触で操作することが可能だ。ハンズフリーでさまざまな情報を参照でき、例えば医療現場では、医師からの指示を看護師が参照したり、検査や治療中の医師が電子カルテ情報を参照したりするような場面に活用できそうだという。

 NECは2015年11月に、スマートグラスと腕時計型端末(スマートウォッチ)を併用し、ユーザーの腕を仮想キーボード化する「アームキーパッド」を開発(関連記事)。実証実験を進めてきた。このインターフェースでは、腕へのタッチ(振動)をスマートウォッチの加速度センサーで検知し、入力を判別していた。これに対し医療現場では、上腕にデバイスを装着すると診察や治療を妨げやすいことや、衛生面での懸念などから「非接触のユーザーインターフェースが求められる」(NEC)。

 そこで、医療応用を強く意識して開発したのが、今回のインターフェース。QRコードなどのARマーカーを着衣の上腕部分につけておき、これを画像認識させることで仮想キーボードが出現し、入力操作を開始できる。スマートグラスのカメラで指の動きを捉え、指の動きによる仮想キーボードの操作を可能としている。スマートグラスには、セイコーエプソン製端末などの市販品が利用可能だ。