アロマディフューザーを感染症予防に使うとはどういうことなのだろうか。のなか 代表取締役の山中広美氏は次のように話す。「最小0.1µmの超微小粒径のミストがウイルスを包み込み、無効化することで感染を防ぐ」。院内感染防止や医療従事者保護の目的で、さまざまな感染症予防への応用が期待できるという。
想定している応用の1つは、毎冬私たちの脅威になるインフルエンザの対策だ。現在液体メーカーと共同で、人には無害な液体を使ったインフルエンザ対策用の検証実験を行っているという。
両装置の中枢を担うのは、装置に搭載している、微小粒子径のミストを拡散する「ヒペリオンシリンダー」だ。シリンダー内部のノズルにエアーポンプで空気を送ると、ノズル先端に開けた微小から、ベンチュリー効果で液体が微小粒子となって上部の蓋の底に押し出される。粒径の大きなものは中間部の溝に入り込み、粒径が溝の高さに自然に整えられて、ほぼ均一サイズの微小粒子ミストを放出できる仕組みだ。「アロマシーンプラス」はヒペリオンシリンダーの容量が150ccで、教室など室内空間での利用を想定している。「ヒペリオン」はより広い空間への適用を目指し、200cc以上の容量とすることを検討しているという。
このほか、両製品の農業や畜産への応用も検討しているという。ウィズダムとのなかが本社を置く宮崎県の土地柄ゆえの応用だ。「宮崎県では以前、口蹄疫が問題になった。加えて近年は、近隣諸国から船で来日する観光客が多く、これに伴ってウイルスが国内に侵入するのではないかという懸念がある。今回の製品を医療や畜産など多分野の対策に使用できれば望ましい」(山中氏)。