自動車関連製品を中心に、機能安全の国際標準規格への準拠が求められるケースが増加している。機能安全規格への準拠の作業を支援するソフトウエア・ツール・セットを米Austemper Design Systems社が開発した(ニュースリリース)。同社は2015年に創業した新興企業である。

左がSanjay Pillay氏(Founder & CEO)で、右がArun Gogineni氏(Development Lead)。日経テクノロジーオンラインが撮影。
左がSanjay Pillay氏(Founder & CEO)で、右がArun Gogineni氏(Development Lead)。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 同社のSanjay Pillay氏(Founder & CEO)に、54th Design Automation Conference(DAC 2017、6月18日~22日、米国テキサス州Austin)の展示会(展示会は6月19日~21日の開催)の同社ブースで話を聞いた。同社のツールセットのターゲットは、ISO 26262やIEC 62380といった機能安全の国際標準規格への準拠が求められるICや電子部品を開発している企業や部署だという。こうした企業や部署のほとんどでは、年に1回や数年に1回程度しかICや部品を新規開発しない。そのためだけに、機能安全の専門家を抱えるのは全体の効率を考えると難しい。また、社外にあるサードパーティーの専門家にいちいち相談にするのも面倒である。

 そこで、専門家がいない開発現場でも容易に機能安全規格への準拠作業を進められることを狙って提供するのが、同氏が紹介したツールセットである。Austemperを創業する以前に同氏は米HGST社で法人向けSSDのコントローラーICを開発していた。それ以前にも複数の半導体メーカーでIC開発に携わっており、IC開発現場の雰囲気は熟知している。すなわち、IC開発現場における機能安全規格準拠への作業の困難さを理解しており、そこに商機を見い出して、Austemperを創業したという。DACのような大きな展示会への出展は今回が初めてだが、ブースには多くの来訪者があったという。また、すでに、車載ICを扱う米国の半導体メーカーや、ある大手IPベンダーが同社の製品を使っているという。