米Mentor, a Siemens Business社CEO兼ChairmanのWalden C. Rhines氏と米Siemens PLM Software社Executive ChairmanのChuck Grindstaff氏が共同で報道機関向け会見を、54th Design Automation Conference(DAC 2017、6月18日~22日、米国Austin)の期間中に同じ会場(Austin Convention Center)で開いた。MentorはEDAツール(電子/電気系CAD)のベンダー。Siemens PLM SoftwareはPLM(Product Lifecycle Management)ツールや機械系CADのベンダー。

左がSiemens PLM SoftwareのChuck Grindstaff氏。右がMentor, a Siemens BusinessのWalden C. Rhines氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
左がSiemens PLM SoftwareのChuck Grindstaff氏。右がMentor, a Siemens BusinessのWalden C. Rhines氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 Mentorは、現在のEDAベンダー御三家(米Synopsys社/米Cadence Design Systems社/米Mentor Graphics社)および1世代前のEDAベンダー御三家(米Daisy Systems社/米Mentor Graphics社/米Valid Logic Systems社)の両方に名を連ねる唯一の企業である。創業は1981年と、(当然ながら)現御三家の中で最も歴史が長い。そのMentorを独Siemens社が買収することが2016年11月に発表された(関連記事:SiemensがEDAのMentorを45億米ドルで買収)。買収完了は2017年3月30日に発表されている(ニュースリリース)。

 EDA業界でM&Aはよくあることだが、SiemensによるMentorの買収は業界としては異例だった。Mentorは大手EDAベンダーのため、これまでは買収する側であり、買収される側ではなかった。また、買収したのがEDAベンダーではなかったこともあまり例がないことだ。Mentorは現在、Siemens PLM Software社の子会社という位置付けである。そのSiemens PLM SoftwareはSiemensの子会社で、正式名は、「Siemens PLM Software, a business unit of the Siemens Digital Factory Division」。SiemensのDigital Factory部門に属する子会社である。経理や法務、人事を除くと、Mentorは買収される前と同じ体制、すなわち独立した組織として運営される。今のところ、解体されて、Siemensサイドの複数の部門/部署に取り込まれるような予定はない。