将来的にはBYOD対応やクラウド化

 マルチプラットフォーム、モバイルフル電子カルテのメリットとして荒木氏は、コンテナアプリは小さなプログラムなのでインストールが簡単、ほとんどの処理をサーバー側で行うために高性能の端末が不要、スマートフォンで電子カルテのフル機能が使えるといった点を挙げる。こうしたメリットを生かして、将来的にはBYOD(Bring your own device)対応やクラウド化による電子カルテ共同利活用などの可能性を示した。

 「個人所有のパソコンやスマートフォンを電子カルテ端末として活用できる点は、実はアプリケーション仮想化で実現できていた。しかし、マルチプラットフォーム型電子カルテでは、SBC(Server Based Computing)用に導入している20台近い高性能サーバーが不要になる」(荒木氏)と、費用削減に大きなメリットがあることを強調。また、クラウド化したマルチプラットフォーム型電子カルテを複数の病院で共同利用すれば、「診療情報ビッグデータの解析と人工知能による診療支援、あるいは共同経営分析などへの可能性が広がる」との将来展望を述べた。

■変更履歴
取材先から、取材時の内容に変更が生じたとの申し入れがあり、システムの稼働時期についての記述を「2016年7月に稼働を開始した」から「2016年11月の稼働を予定する」に修正しました。