複雑な判定ルールをセキュアに実装可能な基盤

 こうした汎用的なルールベースチェック機構を肝炎検査の初回陽性報告時アラート通知へ適用した結果、2015年9月~2016年3月間で、肝炎検査全体における陽性のアラート通知が2356件あったのに対し、初回陽性だった件数の209件(8.9%)までアラートを絞り込むことができ、通知内容の重要性を高め、「この間で肝炎の陽性診断まで導いた患者は35人だった」(同氏)と成果を述べた。

 また、特定薬剤投与(免疫抑制、化学療法)時におけるB型肝炎対策ガイドラインへの準拠チェック・診療支援(検査オーダー誘導)に適用したときの運用方法・効果、特定薬剤治療管理料の算定支援機能として運用した際の方法と効果などを紹介。最後に飯田氏は、汎用的なルールベースチェック機構の構築・運用を次のように考察した。

 「従来の課題であった複雑な判定ルール、データ取得のプロセスを高い効率性と汎用性で実現できたのではないかと評価している。データだけに向かい合っているため、(仕組みが)間違っていれば結果として出てくるので、問題の発見が容易で、難しい判定をセキュアに実装できる基盤としても非常に有用だと考えている」。