スタイルシートの記述で判定要素定義・動作を実現

 その検索・判定の仕組みが、研究発表の核である汎用ルールベースのチェック機構である。その要点の第1は、電子カルテシステムの操作(データ入力)・流通の各課程で出力された判定材料になるXMLを受領し、その判定結果をXMLで返送するために、XMLデータの構造変換機構であるXSLT(XSL Transformations)を用いた。「XMLデータとXMLデータということは、スタイルシートを記述すればいくらでも汎用的なチェック機構が作れるという発想」(同氏)で判定要素定義・動作の基盤を実現した。

 複雑な判定ルールの実装には、(ガイドラインなどの)判断基準や比較対象とするデータを判定材料以外からも求めるケースが多く、それらの様々なデータをどう取得するかがカギ。「すでに電子カルテシステムに実装されている汎用的にデータを取得してくる仕組みと組み合わせ、追加の判断条件となる異なるデータをXMLで持ってきて単純に足し算できるので、取得→積層→判定→結果生成というサイクルを積み重ねながら回すことが可能になる」(同氏)と説明した。