オブジェクト指向データベースでデータ抽出を高速化

 次のポイントである多岐にわたるチェック用データを瞬時にオンデマンド取得するために、データベースをRDB(リレーショナルデータベースシステム)からオブジェクト指向データベースに乗り換えた。「広範なデータの海から特定の要素を含んだデータを瞬時に抽出するには、1レコードにXMLをバイナリーデータとして埋め込んだ場合、例えばある処方データを簡単に引き出すことはRDBでは使いものにならない。そこで、Caché(インターシステムズ)を導入し、既存のデータ構造を変えることなく、検索する際に必要な要素を配列フィールドに格納して、それをインデックスとして用いた」(同氏)。これにより、チェック処理に必要な各種データ取得を0~数秒で実現できるようにした。

 また、Cachéへのリプレースと同時に構築したのが、任意のXMLデータに基づいて、情報の通知先や通知タイミング、内容・アクション動作の設定が可能な汎用的なメッセージ基盤だ。「肝炎検査の初回陽性報告時のアラート通知の仕組みでは、当初の肝炎関連の結果項目値の陽性判定のみでアラート通知すると、スクリーニング検査の結果が通知対象となり、診断支援に不要な通知が大量に発生していた。そこで、過去の検査歴をリアルタイムに検索・判定する処理を実装し、初回陽性報告かを即座に判定して通知内容の重要性を高めた」(同氏)という。